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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和2年9月18日(金)

 本日の閣議において,田所嘉德法務副大臣,小野田紀美法務大臣政務官の人事が閣議決定されました。
 平成27年10月から平成28年8月までの間法務大臣政務官を務められた田所副大臣,そして,参議院法務委員会の委員を務められた小野田政務官という,司法・法務行政に精通するお二人を,法務省にお迎えすることができたことは誠に心強い限りです。
 田所副大臣と小野田政務官には,お持ちの御経験や御見識を存分に発揮していただき,そのお力を得ながら,しっかりとチームを組んで法務行政の諸課題に一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。

国際仲裁法制の見直しに関する質疑について

【記者】
 昨日の法制審議会の総会で,大臣は国際仲裁法制の見直しを諮問されましたが,日本における国際仲裁の活性化の意義と法制審にどのような議論を期待するのか,また,法改正に向けたスケジュール感をお聞かせください。

【大臣】
 昨日,法制審議会の総会におきまして,御質問にございました国際仲裁法制の見直しにつきまして,諮問をさせていただきました。
 まず,我が国の仲裁法でありますが,UNCITRAL(アンシトラル)が策定した国際商事仲裁モデル法に準拠して平成15年に整備されたものでございます。
 このモデル法は,平成18年に一部改正をされ,暫定保全措置に基づく強制執行について,新たな規律が加えられたということであります。
 しかし,我が国の仲裁法ではこれに対応する規律につきましては,整備をされておりません。
 他方,経済取引の国際化が進展するに伴いまして,国際仲裁の件数が世界的に極めて増加をしている状況でありますが,我が国の取扱件数は極めて低調なままに留まっているということであります。
 そこで,我が国における国際仲裁を活性化させるためには,最新の国際水準に見合った法制度を備えていくことが極めて重要であると考えておりまして,そこで,仲裁法制の見直しについて,今般の法制審議会において検討をいただくことになった次第です。
 この法制審議会におきましては,専門的な見地から充実した調査審議が行われることを期待しておりまして,昨日,その旨を直接お伝えさせていただいたところです。
 後半の御質問のスケジュール感でありますが,法制審議会での議論,しっかりと調査審議をしていただくということでありますので,その上で,できる限り早い段階で答申がなされるようお願いをしたいと考えています。

「一筆書きキャラバン」に関する質疑について

【記者】
 昨日,省内での訓示において,法務行政を最前線で支える職員の方と対面を重ねる「一筆書きキャラバン」の実施を打ち出されたかと思いますが,改めてこのねらいと,感染症の影響もあってなかなか難しいところもあるかと思いますが,今後どのように進めていかれるのかという,現時点での構想があればお聞かせいただきたいと思います。

【大臣】
 法務行政を担う全体の組織でありますが,この本省を中心に,全国の津々浦々に様々な組織がありまして,その中で,職員の皆さんが国民の皆さんの安全・安心のために,様々な司法,あるいは法務サービスを提供しております。
 私は,前回,前々回の法務大臣を務めておりました折に,全国のこうした施設を回らせていただきまして,職員の皆さんと意見交換をする大変貴重な機会を得ることができました。結構率直な会話をさせていただくことができまして,いろいろな立場の方々が,自分たちの職場の中で,今抱えている問題について,話してくれました。例えば,女性で子供を育てながらという方もいらっしゃったり,あるいは刑務所で継続して仕事をし続けていくということについて,なかなか難しいというようなお話をいただいたり,それぞれの職種によっても,また職場によっても,抱える問題にも違いがあるし,共通した問題もあるということについて,現場に行って,初めてそうした声を聞くことによって,私自身も,大変大きな学びをさせていただいた経験がございました。
 今回,冒頭の記者会見でも申し上げたところでありますが,様々な課題や問題,また国民の皆さんの信頼という意味では,今,法務省は,大変厳しい状況にあると認識しております。その最前線で頑張っていただいている皆さんが,しっかりと法務行政の中の一員として,誇りを持って仕事をし続けていただくためには,やはり何といっても対話をして,そしてそういう声をしっかりと伺いながら,また私も就任したばかりではございますが,気持ちを伝えさせていただいて,一つになって対応していくことが極めて大事であると考えた次第であります。
 「一筆書き」というのは,全国を回るということでありまして,一筆書きの名山探索という番組があるのですが,私の大変好きな番組です。それぞれの地域には地域の特徴があります。そして,その中で職員の皆さんにはそれぞれ頑張っていただいている。そして,その行政サービスが届く先に国民の皆さんがいらっしゃるということでありますので,できるだけ全国を回らせていただきまして,そうした声をもう一度拝聴できたらなというふうに思っております。
 コロナ禍ということでありますし,秋冬にはインフルエンザの流行期に重なって,再度感染が拡大するということもありますので,なるべく落ち着いている状況の中で,できるだけ訪問をさせていただきたいと思っておりますし,また,最近ウェブ会議も大変良いシステムになっているということでありますので,必要に応じて,そういう手段・技術を利用した形で,ウェブ会議も並行してやらせていただきたい。また同時に,海外で頑張っていらっしゃる皆さんとも,国際的なウェブ会議を開いて,リアルタイムで対話ができるというのは非常に大事なことではないかと思いますので,そこも検討しながら,その「一筆書き」の中に,国内,そして国際というところも含めて入れてまいりたいと思っています。
 名前はどういうふうになるか分かりませんが,こだわっている「一筆書きキャラバン」ということで,副大臣,政務官とともに,チームとして頑張っていきたいと思っております。

カルロス・ゴーン被告人の身柄の引渡しに関する質疑について

【記者】
 カルロス・ゴーン氏の逃亡問題についてお伺いします。
 日本はレバノンに対して,これまでゴーン氏の身柄の引渡しを求め,また,森前大臣も諦めずに粘り強く取り組んでいく姿勢を見せてきました。日本は,レバノンとの間で引渡条約を結んでいないという理由で実現が難しい中,引渡条約は引渡しの絶対条件ではないという指摘がありますが,日本へのゴーン氏の身柄引渡しについて,大臣のスタンス,御意見をお聞かせください。

【大臣】
 カルロス・ゴーン被告人に係る引渡しに関する御質問ということでありますが,個別事案ということでありまして,具体的な捜査公判に関わることでありますので,お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
 レバノン政府とのやり取りということで一つお話し申し上げたいと思うのは,レバノン政府に対しましては,既に我が国として,ゴーン被告人が日本の裁判所において裁判を受けることは当然のことだと考えていることをお伝えをしているところでございまして,必要な御協力を求めてまいりました。
 当省といたしましても,引き続き,外交当局と情報共有しながら,関係国,そして関係機関等ともしっかりと連携して,できる限りの措置を講じてまいりたいと考えております。

出入国在留管理行政に関する質疑について

【記者】
 大臣は就任直後の記者会見で,法務行政全般の信頼回復のことを強調された上で,技能実習制度の見直しや,それから多文化共生社会定着実現のための政策の問題,それから新たな在留資格の創設ということについて御発言されていました。
 大臣が持っていらっしゃる問題意識,どこに問題があるか,現状を改善すべきと考えていらっしゃるのか,その詳しい内容についてお伺いしたいのですが,お願いします。

【大臣】
 日本の社会が外国人の方々をいろいろな形で受け入れるということについては,技能実習制度,最近では新しい在留資格として,特定技能の1号,2号という資格で日本の労働市場の中に,しっかりとした働き手として受入れをするという,こうした制度を随時作ってきたところであります。
 運用の過程の中で,制度の一つの問題点として様々な御指摘がございました。特に,不法残留というような形で,在留資格の切り換えのときにいろいろな形で問題が起きるなど,いろいろな課題がございました。この多文化共生社会というのは,そうした在留資格で受け入れる外国人の方々に,日本の社会の中でしっかりと市民として働いていただくということでありますので,それに係る環境整備については,十分対応していく必要があります。そういう認識の下で,今どういう問題があるのか,また課題があるのか,これまでの課題も含めて,この時点で更に検討を深め,そして実際に実践していきたいと思っているところであります。

【記者】
 今の質問の続きになると思いますが,その一方でこの数年間,非正規滞在者の長期無期限収容の問題が非常に大きな問題になりました。それで,森前大臣は,新型コロナウイルス感染症対策ということで,仮放免の運用拡大を指示されて,多くの方が仮放免された状態です。
 加えて,今,技能実習生の話もしましたが,在留資格が切れて,やむを得ず仮放免の状態にある方もたくさんいらっしゃいます。留学生でもそういう方がいらっしゃる。そういった仮放免の方というのは,在留資格がないので,公的支援が受けられない状況になって,貧困に苦しんでいる方がたくさんいらっしゃいます。
 そういった非正規滞在の方,仮放免の方の支援ですとか,公的支援の在り方,それから在留特別許可,これもこの数年激減しているわけですが,そういうものに対して何か見直す必要があると大臣はお考えでしょうか。

【大臣】
 まず,仮放免をされた外国人につきましては,退去強制手続中という立場に鑑みまして,基本的には就労は認めていないという状況であります。
 ですから,その生計につきましては,本人の資産でありますとか,あるいは保証人,あるいは御家族の方々の支援によって支えられるということが想定されるということであります。
 このような現行制度を踏まえますと,仮放免をされた外国人を対象として,出入国管理行政の一環として国費による生計等の支援を行うというようなタイプのものについては,これはなかなか難しいというふうに考えております。
 もっとも,仮放免をされた外国人の方々につきまして,法律の規定に基づきまして,一定の行政上の便益を受けられることになるようですので,本人が御希望なさる場合には,その居住地などを市町村に対して通知をしているところでございます。
 その上で,各種行政サービスの提供の可否につきましては,各所管省庁において法令に基づいて適切に対応しているものと承知をしているところであります。
 なお,「収容・送還に関する専門部会」で御提言が取りまとめられております。その中には,仮放免の在り方などに関する内容も含まれているわけでございますので,現在,出入国在留管理庁におきまして,この御提言を踏まえた必要な検討を行っているものと承知をしているところでございます。
 私も,この御提言の内容を十分に精査をさせていただきながら,今ある状況につきまして,またコロナ禍での対応も含めまして,しっかりと出入国在留管理庁に指示を行いながら,対応してまいりたいと考えております。
(以上)